そんなトラブルに巻き込まれた人々の、昔々のとあるお話~~~
『共有持分財産って自分の分だけで売れない?』~ 完 ~
「別にお兄さんの了承なんかなくたって、その権利自体は売ること出来るで。当然。あなたの財産なんやから」
「結構、勝手な思い込みで、自分の分だけなんて売れへんやろうな。とか、面倒やろうな。って思っとる人、多いねんなぁ、ほんま。弁護士に相談しても、紙の処理は出来るんやけど、実務はやってない。って士業の人も多いしな。そんでずっと持ち腐れてる案件とか、ぎょーさんあんねんで」
「せやから、実際、共有持分の物件、自分の分だけ売ることは出来る。出来るはできるんやけどな。ただ、、、、実は買うてくれる業者に出会うかどうかが、難しいねんなぁ、これまた。」
買ってくれる、、、業者。。。。
「普通に考えて、共有持分の場合、その持ち分たとえば、50%だけの権利を買うても、その物件を不動産屋としては売りに出せんやんか?
他の権利者がおんのに、勝手にな。入居者募集!みたいな感じで普通に流通させることはできひん。せやから、例えば共有持分の50%の権利を買うた時は、残りの権利50%をな、持ち主全員に交渉して全部手に入れたり、持ってる50%の権利を他の権利者に買うてもろたりして、権利関係を綺麗にするスーパープレイが発生するんや。せやから、大手とかは基本嫌がんねん。中には権利者が不明の案件なんかもあるしな。そこ探すとこから。なんて、もう探偵みたいやで。結構めんどくさいねん」
「なるほど。。。」
「でもな、そういうの嫌がらんとやる業者が、おんのよ。巷には」
「そう、なんですね。。。ではそういう業者を探して、、、」
「せやねん。ふつうはな、それがめっちゃくちゃ大変やねん」
「そうですよね、、、」
「でもな、、、兄さん、ツイてんな!」
「え?」
「いや、僕が、それやん」
「え?」
「せやから、ぼくが、そういう複雑な権利関係とか、めんどくさい物件やら空き家やらの案件を、めんどくさがらないでやる不動産やさんYA・NE・N!ど?わかった?」
・・・・・?
「こう見えて、僕な、行政書士やら弁護士やらの先生とタッグを組んで、そういうの解決する不動産スペシャリストなのよ!」
「え、、、え~~~~~!!!」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そこからは話が早かった。。。
自称スペシャリストの南町さんは、次郎の話を全く聞かなかった兄夫婦に鮮やかに接触し、お母さんの今の状況と介護がどれだけ大変か切々と語り、世間体やら何やらを、物凄い絶妙な言い回しで説くことで、二人にうんと言わざるを得ない状況を作り、また(こっちが主に兄に刺さったのは間違いないが)共有持分を別々に売却することで、どれだけその資産価値が下がってしまうかも説明。もし不動産を今売却したくないなら、次郎の権利を全部購入するという手もあるが、その為には早急にまとまった資金が必要だし、今はマンションの価格もそこそこ上昇しているから、売り時としては悪くないという提案で、共有持分を共に売却するということで決着をつけた。
その上、いつの間にか、南町さんは兄・太郎の妻の信頼を勝ち取り、実は以前から離婚したかったという相談にまで乗り、今は兄夫婦の共有財産である不動産の売却と二人の離婚話をまとめるお手伝いまですることになったそうだが、、、、それはまた、別のお話。
次郎は無事自分には分不相応なタワーマンション25階の一室の権利を売却し、その資金と母の財産を元手に母を老人ホームにいれ、自分はそのホームの近くに、小さな部屋を購入。その後もあしげく母のもとに通い、その最後を看取ったそうな。
めでたし、めでたし。
~ 完 ~
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※本コラムは個人の特定が出来ぬよう、作中にフィクションを織り交ぜたエピソードとなっています。
「結構、勝手な思い込みで、自分の分だけなんて売れへんやろうな。とか、面倒やろうな。って思っとる人、多いねんなぁ、ほんま。弁護士に相談しても、紙の処理は出来るんやけど、実務はやってない。って士業の人も多いしな。そんでずっと持ち腐れてる案件とか、ぎょーさんあんねんで」
「せやから、実際、共有持分の物件、自分の分だけ売ることは出来る。出来るはできるんやけどな。ただ、、、、実は買うてくれる業者に出会うかどうかが、難しいねんなぁ、これまた。」
買ってくれる、、、業者。。。。
「普通に考えて、共有持分の場合、その持ち分たとえば、50%だけの権利を買うても、その物件を不動産屋としては売りに出せんやんか?
他の権利者がおんのに、勝手にな。入居者募集!みたいな感じで普通に流通させることはできひん。せやから、例えば共有持分の50%の権利を買うた時は、残りの権利50%をな、持ち主全員に交渉して全部手に入れたり、持ってる50%の権利を他の権利者に買うてもろたりして、権利関係を綺麗にするスーパープレイが発生するんや。せやから、大手とかは基本嫌がんねん。中には権利者が不明の案件なんかもあるしな。そこ探すとこから。なんて、もう探偵みたいやで。結構めんどくさいねん」
「なるほど。。。」
「でもな、そういうの嫌がらんとやる業者が、おんのよ。巷には」
「そう、なんですね。。。ではそういう業者を探して、、、」
「せやねん。ふつうはな、それがめっちゃくちゃ大変やねん」
「そうですよね、、、」
「でもな、、、兄さん、ツイてんな!」
「え?」
「いや、僕が、それやん」
「え?」
「せやから、ぼくが、そういう複雑な権利関係とか、めんどくさい物件やら空き家やらの案件を、めんどくさがらないでやる不動産やさんYA・NE・N!ど?わかった?」
・・・・・?
「こう見えて、僕な、行政書士やら弁護士やらの先生とタッグを組んで、そういうの解決する不動産スペシャリストなのよ!」
「え、、、え~~~~~!!!」
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そこからは話が早かった。。。
自称スペシャリストの南町さんは、次郎の話を全く聞かなかった兄夫婦に鮮やかに接触し、お母さんの今の状況と介護がどれだけ大変か切々と語り、世間体やら何やらを、物凄い絶妙な言い回しで説くことで、二人にうんと言わざるを得ない状況を作り、また(こっちが主に兄に刺さったのは間違いないが)共有持分を別々に売却することで、どれだけその資産価値が下がってしまうかも説明。もし不動産を今売却したくないなら、次郎の権利を全部購入するという手もあるが、その為には早急にまとまった資金が必要だし、今はマンションの価格もそこそこ上昇しているから、売り時としては悪くないという提案で、共有持分を共に売却するということで決着をつけた。
その上、いつの間にか、南町さんは兄・太郎の妻の信頼を勝ち取り、実は以前から離婚したかったという相談にまで乗り、今は兄夫婦の共有財産である不動産の売却と二人の離婚話をまとめるお手伝いまですることになったそうだが、、、、それはまた、別のお話。
次郎は無事自分には分不相応なタワーマンション25階の一室の権利を売却し、その資金と母の財産を元手に母を老人ホームにいれ、自分はそのホームの近くに、小さな部屋を購入。その後もあしげく母のもとに通い、その最後を看取ったそうな。
めでたし、めでたし。
~ 完 ~
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※本コラムは個人の特定が出来ぬよう、作中にフィクションを織り交ぜたエピソードとなっています。