そんなトラブルに巻き込まれた人々の、昔々のとあるお話~~~
『共有持分財産って自分の分だけで売れない?』第1話
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが、地上25階のとても景色の良いタワマンで、仲睦まじく暮らしていました。
そんなある日、おばあさんが朝目覚めると、おじいさんは綺麗に整頓され、カーテンの隙間から眩しい朝日が差し込む素敵なベッドルームのベッドの上で、眠りについたまま、二度と目覚めぬ人となっていました。
お葬式も終わり、生活が落ち着いたある日のこと。
年老いたおばあさんは、二人の息子を改めてこのタワマンに招集します。
「じいさんは逝ってしもた。わしもいつ逝くことになるかわからない。とりあえずこのタワマンの権利は死ぬ前にあんたたちに相続するよ。共有持分で50%ずつ。それでいいかい?しかし、わし独りで住むには色々しんどい。どっちかいっしょに住んでくれないかぃ」
そういうと、気のいい次男の次郎(独身46歳)が、手を上げました。
「母さん、実はずっと言おうと思っていたんだ。もう母さんも70歳を超えたし、いっしょに住もうって。ちょうどよかった、この機会にいっしょに住もう」
そういうと、もともと両親とは疎遠であった長男の太郎(48歳)は調子よくこういいます。
「母さん、僕には家族もいるし来年は次男の受験が控えてる。同居は難しいから、ここは次郎にお願いするよ。なかなか直接的には助けられないけどさ、何かあればいつでも言ってくれよ」
そうして年老いた母親と次男は同居を始め、幾年。
10年が過ぎた、そんなある日のことです。
(次回につづく)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※本コラムは個人の特定が出来ぬよう、作中にフィクションを織り交ぜたエピソードとなっています。
そんなある日、おばあさんが朝目覚めると、おじいさんは綺麗に整頓され、カーテンの隙間から眩しい朝日が差し込む素敵なベッドルームのベッドの上で、眠りについたまま、二度と目覚めぬ人となっていました。
お葬式も終わり、生活が落ち着いたある日のこと。
年老いたおばあさんは、二人の息子を改めてこのタワマンに招集します。
「じいさんは逝ってしもた。わしもいつ逝くことになるかわからない。とりあえずこのタワマンの権利は死ぬ前にあんたたちに相続するよ。共有持分で50%ずつ。それでいいかい?しかし、わし独りで住むには色々しんどい。どっちかいっしょに住んでくれないかぃ」
そういうと、気のいい次男の次郎(独身46歳)が、手を上げました。
「母さん、実はずっと言おうと思っていたんだ。もう母さんも70歳を超えたし、いっしょに住もうって。ちょうどよかった、この機会にいっしょに住もう」
そういうと、もともと両親とは疎遠であった長男の太郎(48歳)は調子よくこういいます。
「母さん、僕には家族もいるし来年は次男の受験が控えてる。同居は難しいから、ここは次郎にお願いするよ。なかなか直接的には助けられないけどさ、何かあればいつでも言ってくれよ」
そうして年老いた母親と次男は同居を始め、幾年。
10年が過ぎた、そんなある日のことです。
(次回につづく)
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※本コラムは個人の特定が出来ぬよう、作中にフィクションを織り交ぜたエピソードとなっています。