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世の中には、訳アリ物件に関するトラブルが溢れています。第3話

そんなトラブルに巻き込まれた人々の、昔々のとあるお話~~~

『共有持分財産って自分の分だけで売れない?』第3話

「もしもし・・・」

「あ、兄さん。」

「おう、久しぶり。どうした?」

どうせ出ないと思いながらかけた電話に兄が出たことに心底驚きつつも、やっと話ができると思ったのも束の間、結論から言えば、兄の傍若無人ぶりに閉口することになる。

兄さんと共有で持ってる母さんのマンションを売ろうと思うんだけど、、、と口火をきった瞬間に電話口から聞こえてきた声に絶望する。

「いやいやいや、久しぶりに話したと思えば、お前、何言い出すんだよ。俺は売らないよ。今じゃないよ、今じゃ。不動産、今上がり調子じゃないの。これからまだまだ上がりそうな気配もあるのに、今売るなんて、絶対ないから」

「あ、いや、えとそういうことじゃなくて、、、」

「大体お前いくらで売るつもりなんだよ?ちゃんと調べたのか?どうせなんにも知らないで思い付きで言ってきてんだろ?困るよなぁ。そういうの」

「いや、、、実は母さんが・・」

「いやいやいや、無理無理無理。とにかく、無理。じゃそういうことで。なんだよ、めちゃくちゃ何回も連絡してくるから母さんが死んだのかと思ったよ。もう、くだらないことで連絡してこないでくれよ」

ツーツーツー・・・・・・・・

ずっとこうだった。兄は僕の言うことなんて何も聞いちゃいない。
常に自分が正しいし、常に僕は愚鈍な弟なのだ。。。。
次郎は何の説明も出来ぬまま、モノ言わぬ塊となった携帯電話をただ眺めることしかできなかった。

(次回につづく)

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※本コラムは個人の特定が出来ぬよう、作中にフィクションを織り交ぜたエピソードとなっています。